この殻を抜け出して あたしは飛び立たなくちゃいけないの
ここは温かいの
とてもやわらかくてやさしいから
いつまでもいつまでもここで眠っていたい
だけどここにいると夢はやってこないのよ

あたしはあなたから飛び立たなくちゃいけないの
あなたの優しい声 少しだけ大きな手 タバコを吸う姿も
全部全部大好きだったよ
ううん今でも大好き

あなたに別れの言葉を告げなくちゃいけないのかな…
きっとあなたの笑顔を見ると気持ちは揺らいでしまうから
何もいわずに飛び立っていくことにするの
あなたの指があたしの躰をふるわせて
あなたの舌があたしの声を大きくさせて
そんな夜を過ごしてた

この殻を抜け出して あたしは飛び立たなくちゃいけないの
とても温かい夜の幻をいつまでもあたしは引きずって
いつかその精神(こころ)がこわれてしまったとしても
そこにたとえあなたがいないとしても
あたしは飛び立たなくちゃいけないの

あなたがいるとあたしはいつまでも飛び立てないままなの…
あたしのいなくなった抜け殻のゆりかごをあなたはどうするの?
新しい娘をそこで抱くのかしら…

ゆらゆら揺れるゆりかご
ここであなたは誰を抱くのかしら…
それでも…
あたしはあなたから飛び立たなくちゃいけないの
この空を抜け出して あたしは飛び立たなくちゃいけないの

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